不動産売却時の譲渡所得には短期譲渡所得と長期譲渡所得があり、それぞれ適用される税率が異なります。
譲渡所得は、譲渡価額から不動産の取得に要した費用と譲渡に直接要した費用、さらに特別控除の特例に該当する場合は特別控除額を引いて計算します。
そして不動産の保有期間が売却した年の1月1日時点で5年以下の時は短期譲渡所得、5年を超える時は長期譲渡所得に分類され、前者には所得税30%、住民税9%の税率が、後者には所得税15%、住民税5%の税率がそれぞれ適用されます。
また、保有期間が10年を超え、かつ一定の要件を満たす時は、6,000万円までの長期譲渡所得に対して所得税10%、住民税4%の軽減税率が適用されます。
なお、当該不動産を相続で取得した場合は、相続税を支払っていればその一部を取得に要した費用に加算でき、それが一定の要件を満たす空き家であれば3,000万円の特別控除額を控除できます。
そして、保有期間は被相続人が取得した日を承継する点に注意が必要です。
不動産の売却は、税法上、資産の譲渡に該当する為、その売却益は譲渡所得となります。
譲渡所得の計算は、売却による収入金額から不動産を取得した際の費用と譲渡費用、特別控除額を引いて求めます。
もし、取得費が分からない場合または収入金額の5%未満の取得費である場合は、収入金額の5%を取得費とする事ができますし、相続税を支払った不動産の売却であれば、その相続税の一部を取得費に加算する事も可能です。
また、特別控除額には、居住用財産の譲渡に係る3,000万円の特例や収用に係る5,000万円の特例、相続した空き家を譲渡した場合の3,000万円の特例などがあります。
算出した譲渡所得は、不動産の売却した年の1月1日時点における所有期間によって分類され、5年以下の場合は短期、5年超の場合は長期となり、それぞれ39%、20%(いずれも住民税を含む)の税率を乗じて税額を計算します。
なお、相続により取得した場合の所有期間は、被相続人が取得した日から起算して計算する点に留意して下さい。